地直し
ソーイングをやっていて、とまどうことの一つが「地直し」です。 私は基本的に地直しはしません。 それは、こんないきさつからです。 | ![]() |
「地直し」が必要なことを知ったのは、洋裁を始めてから。家庭科で地直しをした記憶はありません。私が覚えていないだけかもしれませんが。
はじめは、本に書いてある通り、生地を買ってきたらすぐにまとめて「1時間くらい水に浸し」「軽く脱水して」「陰干し」「生乾きのうちにアイロン」をしていました。ただ、「布目をととのえる」というのがよく分からず、漫然とアイロンをかけていた気がします。とにかく、地直しはこれで出来ているのかいないのか、どうも自分では確信が持てないプロセスでした。
最初の1年半は綿素材しか使わなかったせいか、地直しで「失敗した!」という事態は起きませんでした。問題は、初めてウールを買ったとき。しかもカシミアです。そう、あのmplの紫コートです。
ウールは初めて、ということで本を開きました。「全体に霧を吹き、ビニール袋に入れ、一晩おいてからアイロンをかける」。私が持っている本にはこう書いてありました。その通りやりました…明くる日、涙が出るような状態に!あのカシミヤの光沢はいったいどこへ、ただのフェルトのような普通のウールになっていました。あの、しっとりとした肌触りも消えていました。よく考えたら、コートはドライクリーニングにだすのだから、地直しの必要はなかったのです。「この生地はもともとこういう生地だったんだ」と思うことにしました。
それからです。地直しに疑問を持つようになったのは。そんな頃、アネージのホームページの「パターンメイキングメモ」に地直しに関するコメント出ました。それを読むと、どうやら地直しは必要ないようなのです。ちょうどそのころ、新しく買った生地はアネージのものだったので、地直しはしないで縫ってみました。切り替えバイヤアフレアースカート、アネージシャツなどです。でも、ブーツカットパンツに使った、ストレッチデニム。さすがにこれは地直しした方がいいのではないかと思い、購入先のアネージに問い合わせてみました。そうしたところ、ストレッチデニムは、横に伸びて、縦に縮んでいく性質があるから、地直しをするのではなく、縮むことを見込んで最初から裾を2・3センチ長くしておく方がいい、と言われました。結局、一般家庭で地直しをするときに問題なのは、干すときに、なかなかちゃんと布目を整えて干すことが出来ないことだそうです。布を広げて干せるような、広いところがあればいいけど、普通は物干しに干すので、そうするとどうしても布目がゆがんでしまうそうです。それを聞いて、なるほど、と思いました。ストレッチデニムも、アネージのアドバイス通り地直しはせず、裾を長めにしました。
紹介した作品のうち、このブーツカットパンツとアネージシャツは地直しはせず、何度も着て、何度も洗濯しています。写真に写っているのは、すでにそういう状態のものです。今のところ、地直しをしなくても問題は起きていないようです。
ただ、ものすごく縮むニット素材を買ったら、多分地直しをすると思います。ここのところそういう素材は買っていませんが。
ちなみに、既製品の場合は、出来上がったらスチームをかけて「地直し」に相当することをして、その際の縮み具合を見て、パターンを再調整するそうです。商品のすごさですね。
ところで、地直しのサービスもありますよね。孝富もこのサービスをやっています。でも、値段を聞いたらかなり高かったです。タイトスカートの生地の地直しでも、数百円ではありませんでした。
あと、山手線内のどこか、確か神田だった気がするのですが、そこにも地直しのサービスをするお店があると聞きました。生地を持っていくと、その場でローラーで地直ししてくれるとか。でも、具体的にどこかは知らないのです。もしご存じの方・利用している方がいらっしゃったら、情報いただけると嬉しいです。
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