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右手親指腱鞘炎(ドケルバン病)-手術後

P1000922

手術から1ヶ月経ちましたが、本当に手術をして良かったと思っています。あの痛みを抱えたまま一生生きていくなんて、とても考えられません。今では、手術前にできなかったことのほとんどが、痛みなくできるようになりました。字を書くことも、コップを洗うことも(平べったいものはまだしも、窪みのある器ものは激痛でした!)、ハサミで紙を切ることも。
ただ、今でも荷物を持つのはためらわれますし(ある程度の重さのものを持っていると、傷口がちくちくし出すのです)、多分、カボチャを切るのも厳しいと思います。結局、まだ傷口に引きつれ感があり、そのためか、手を伸ばすと手の甲に引っ張られるような痛さを感じることがあります。また、袖口があたるだけでも傷口がちくちくと痛みます。傷の長さは2.5センチほど。3針縫いました。
ただ、一番の問題は、長い間、手首と親指を動かせなかったために、関節が固まってしまい、なかなか元のようには動かせないということです。親指はだいぶましになりましたが、それでも、手首から親指の付け根にかけての部分に、触ると感覚的に違和感があります。手首は、決定的に硬いです。医師にも、関節がずいぶん固まってしまっていると言われました。これは自分でその部分を使って、元に戻すよう努力するしかありません。
現状はこんな感じですが、ここまでに至る過程を綴ってみます。

手術を受けるにあたって、心配だったのは、腱鞘を切ることで手の機能に問題が生じることはないのか、ということでした。それは、何度も医師に尋ねましたが、問題は起きないとのことで、今の私の状態を見ても、確かに問題はないと思います。
そしてもう一つは、抜糸までの2週間をどう乗り切るかということでした。つまり、抜糸までは傷口を濡らしてはいけないので、それだけ日常生活に支障が生じるからです。もちろん、術後の痛みでどの程度右手が使えないかも心配です。
当初は、右手が使えなくても夫が手伝ってくれるから大丈夫と、それほど心配はしていませんでした。ですが、思いがけないことに夫が入院してしまい、手助けしてくれる人は誰もいなくなってしまいました。すべてを自分一人でこなさなければいけません。手術前は不安で一杯でしたが、事前の用意があれば、何とかなるものだということが分かりました。そして、本当に大変なのは最初の1週間でした。その1週間をどう乗り切ったかは、多分、一人暮らしでこのような手術を受ける方にも参考になるのではないかと思います。

<手術当日~3日目の通院>

3日目に経過観察で病院に行くまでは、手首も親指も包帯でしっかり固定され、全く動かせない状態でした(指先は動かせましたが)。そして、痛み止めを飲んで動かさなければ痛みは感じませんでしたが、とても右手を使って何かができる状態ではありませんでした。
この間は、右手では箸も、スプーンも、フォークも扱えず、左手だけで食事をしました。手術前日、ありったけの野菜で、ゴロゴロとしたポトフを大量に作っておきましたが、これがとても良かったです。フォークで刺せるようにゴロゴロと、というのがポイントです。それから、ピーマンの塩麹漬け。これもフォークで刺せる大きさ。そして、本当に作っておいて良かった!というのがおにぎり。事前に、今後2週間はご飯を炊かなくて良いように、ご飯茶碗一杯分ずつラップにくるんで冷凍しておきましたが、最初の3日分は塩むすびにしておきました。これで、左手だけで主食が食べられ、とても楽でした。本当はもっと作っておけば良かったと思いましたが(箸を楽に使えるようになるのはまだ先だったので)、腱鞘炎ではおにぎりを作るのもかなりの痛みを伴うので、これが限界でした。今から思えば、切り餅も用意して主食代わりにしても良かったかもしれません。お餅の存在、完全に忘れていました。それから、パン屋で買ったサンドイッチももちろん良かったです。
お皿を洗うことはできないので、左手で持ち、お湯で洗い流すだけにしていました。そして、食卓を拭くのに重宝したのがスポンジワイプ。なぜか夫がこれを買い、少し前から使っていたのですが、本当に、これなしでは食卓を拭くことはできませんでした!左手でギュッと握るだけで簡単に絞れるので、扱いがとても楽でした。普通の雑巾を左手だけで絞るのは至難の業ですから。

<3日目の通院~1週間目>

傷口にはバンドエイド、そして手首だけ包帯という、かなりの軽装になり、手のひらは完全に自由になりました。

ポトフも底をついてきたので、多少の料理をしなければいけなくなりました。お弁当ばかり食べているわけにもいきませんし。手術前日に、にらなど、野菜をすぐに料理に使えるようにある程度の大きさに切ってタッパーに入れて置いたのが役に立ちました。1週間くらい切った状態で持ちそうな野菜は、とにかくたくさん用意しておくことをお勧めします。レタスなども一口大にちぎっておいて、すぐにサラダを作れるようにしておきました。それから、「らでいっしゅぼーや」で温めれ・焼けば良いだけのお総菜をいろいろと買い込んでおきました。「らでいっしゅぼーや」のお総菜は、通常の市販品とは違って、自然な味付けなので食べても違和感がありません。私が、多少なりとも包丁を使えるようになったのは手術から1週間たってからでした。それまでは、どうしても包丁を握る気にはなれませんでした。
入浴も、3日目から開始しました。右手には家事用のゴム手袋をして、濡らさないよう注意しました。重宝したのが、腱鞘炎になってからずっと愛用していた【おぼろガーゼゆあげタオル】バスタオル【おぼろガーゼタオル】フェイスタオル。とにかく薄くて軽いのです。右手に問題があっても、楽に扱えます。
洗髪は、3日に一度、美容院でやりました。計2回。事情を説明して、「頻繁には洗えないので念入りにお願いします」と言ったら、3度洗いしてくれました!髪の毛自体は片手でも洗えないことはなかったのですが、ドライヤーで乾かすことができないので、お願いしました。右手ではドライヤーを持ち続けることも、手櫛も無理だったので。
この頃は字を書くこともかなりきつく、板書はどうしても必要となったら左手でしていました。パソコンも、右手は指一本だけでした。

<1週間目~抜糸まで>
包丁も、葉物類なら切れるようになり、洗い物もゴム手袋をしてできるようになりました。手術前にはあんなに痛かったコップ洗いも平気になっていました。
洗髪も自分でするようになりました。洗うのは左手一本ですが、短時間なら右手でドライヤーを持っていられるようになりました。
手術からとにかく右手の使用を避けていましたが、どうしても右手でないとできないのが歯磨きでした。これが、かなり痛かったです。手首が動かせないので。なんとか撫でるような状態で、満足な歯磨きもできないので、私はあえてこの時期に歯医者に定期検診の予約を入れておきました。合わせて、歯のクリーニングもしてもらうためです。
板書は、右手で少しやってみましたが、やはりまだ痛く、あまりできない状態でした。
抜糸まで大変だったのは洗顔。左手だけでやらなければならないので。とくに洗い流すのに苦労していましたが、「厚手のコットンをひたひたに濡らして、それでぬぐうと良い」と聞き、さっそく、買ったは良いものの全く使わないでいた佐伯チズ ローションパック コットンで試したところ、思いの外きちんと、簡単に洗い流せました。このやり方はお勧めです。ただ、クレンジング剤を洗い流すのは大変でしょうね…私は、割り切って口紅だけにしていました。

<抜糸~1ヶ月目まで>
料理は、カボチャ以外は問題なくこなせるようになりました。ただ、出汁用昆布をハサミで切ろうとしたら痛みが走りましたが。
パソコンも、3週間目を過ぎたあたりから右手の指すべてを使って打てるようになりました。ただ、マウスは1ヶ月すぎるまでずっと左手でした。マウスは相当手首に負担がくるらしく、試しに使ってみると傷口が痛みました。今でも、マウスはあまり長くは使えません。
字を書くことも、この頃にはほぼ問題なくなりました。たくさん書くのは無理でしたが(ということで、年賀状は「大量の印刷文面+ほんの一言手書き」でした)。力が必要なこと以外は、ほとんどこなせました。

***
こうして、現在に至ります。

とにかく、私がお勧めしたいのは、自然治癒が見込めないときはすぐに手の専門医の診察を受けるということです。痛みで使えない状態のまま放置すればするほど、関節は固まり、予後が大変になります。

私の腱鞘炎記録もひとまずこれで終わりです。どなたかのご参考になれば幸いです。

***
写真はメーリホヴォにて。遠くに見えるのが母屋です。

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