奈良旅行 ―がんこ一徹長屋―
最終日は石上神宮体験プランに参加。本当はこの日に當麻寺体験プランへ参加する予定でしたが、年末に「催行中止」の連絡が来ました。なので訪問日をチェンジしましたが、その時点ですでに新幹線のチケットを購入していたので、石上神宮のあと乗車まで数時間余ることになりました。じゃあ、その間にどこかもう一つ、薬師寺か唐招提寺に行こうということで、まずは最寄りの西ノ京駅で降り、コインロッカーにスーツケースを預けました。石上神宮体験プランにはまだ時間に余裕があったので、伝統工芸職人の工房が集まっている「がんこ一徹長屋」に行ってみました。
入り口をくぐると、それらしいたたずまい。
ですが、歩いているのは私たちだけ。それぞれの工房もやっているのかいないのか…入りやすい雰囲気ではありません。夫はそのまま帰ろうとしましたが、せっかく来たのだからと私は器のお店に入りました。後ろで夫が、「入ったら買いたくなっちゃうよ」と止めましたが。
「赤膚焼 大塩恵旦」。入って左側に並んでいるはずいぶんゼロが多いびっくりのお値段の器。なんとか現実的なのは右側。その中で夫が目を付けたのが、ペアの湯呑みと鹿が描かれた中皿でした。見ていると店主が「福袋もありますよ」と勧めてくださいました。様々なお値段の福袋、中には「これは薬師寺の東塔の土で作ったものです」という小皿5枚セット福袋もありました(こちらでどんな色合いか見られます)。それは貴重で縁起もよさそう、でもこういうお皿は家にあるからなあ、と思っていたら、夫が目を付けた中皿2枚とペアのフリーカップがセットで1万円の福袋がありました。湯呑みでなくてフリーカップだけれど、個別に買うより福袋の方が断然お得。フリーカップの方が湯呑みより大きくて、かえってこの方が汎用性があって使えるかも。フリーカップは紅白セットで、白がすこし灰色よりで夫はその色合いが気に入らず、福袋購入を渋っていました。念のため、「白は、ここに出ているものだけでしょうか」と尋ねたところ、奥から数点「白」を持ってきてくださいました。その中に夫の好みにぴったりの色合いのフリーカップがあり、福袋を購入することに決定。そして、2枚の皿も「ひょっとして?」と、念のため「お皿はこの色だけでしょうか」と尋ねたら、こちらも奥から3枚ほど持ってきてくださいました。
福袋に元々セットされていたのは真っ白なお皿。奥から出てきたのは白と茶が混在したお皿。「真っ白はよくあるけれど、茶色くなっているのは二度焼きしていて、多分よそにはない。」私は白一色よりも茶色もある方が雰囲気があり、食べ物が映える気がしたのでこちらを購入することにしました。
こういうセットです。そしてこちらの器は実際に使ってみると、感動的な素晴らしさでした。
ネットで少し調べたところ、大塩恵旦氏の器は薄いのが特徴のようです。カップもお皿も薄くて軽い。そして、カップの飲み口。この薄さ、外側への曲がり具合が絶妙で、驚くほど口にすっと馴染みます。帰宅してさっそくこのカップで飲んでみてから、あまりの飲みやすさに以来ずっとこのカップでばかり飲んでいました。「たまには他のでも飲むか」と他の湯呑みで飲んでも、やはりこの大塩恵旦氏のフリーカップに戻ってしまいます。半世紀近く生きてきて、これまでの人生で一番飲みやすいカップ。
こちらのお皿も良いですね。ショートケーキを載せても、なんだかケーキがグレードアップした感じになります。
絶対にまた訪れて、今度はティーカップかコーヒーカップを買いたいです。