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  • HNはsnow-yuki。「仕事にも着ていける服」をコンセプトに洋裁を楽しんでいます。

    カラー診断は「ピュアロマンチックタイプ」(夏タイプに相当)。

    夫婦共々運転免許を持っていませんので、旅行はいつも公共交通機関を利用しています。

    食物アレルギーがあります。パセリ、春菊、あくの強い山菜(蕗の薹など)、マンゴー、カモミール。さらに、2020年に小麦アレルギーを発症しました。少量なら大丈夫ですが、主食として小麦を大量に摂取することはできません。宿泊先選びではアレルギー対応の有無がポイントになります。

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夏の長崎・五島旅行 ー福江島1日目 福江空港ー

 旅行3日目は長崎から福江島へ移動です。私はてっきり船で行くものと思っていましたが、夫が空路も海路も見たいということで、この移動では飛行機を予約しました。長崎11:50発、福江12:20着。飛行時間は30分ですが、港なら長崎市中心部にあるのに、空港までは市内から1時間ほどみなければならず、また搭乗手続きがあることを考えると、かえって船の方が時間がかからないかも。しかも、私たちの便は出発、到着が30分ほど遅れました。

Fukue1

 上空からは大小様々な島が見え、長崎は島が多いのがよく分かります。

 

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 福江島が見えてきました。

 

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 長崎を飛び立ち、ベルト着用サインが消えたと思ったら、あっという間に着陸態勢です。港でしょうか。

 

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 五島で最も大きな島とはいえ、民家はまばらで閑散としているのかと思いきや、これほどまでに建物が多く、密集しているのに驚きました。
 午後はさっそく福江島観光ですが、その前に空港で昼食をとりました。福江空港にはレストランは一つだけです。空港のレストランというと、成田や羽田の経験からやたら高く、そして美味しくもないのではないかと少々心配でしたが。
 私は五島豚のカツ、夫は五島牛の焼き肉重を注文。

 

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 窓からは先ほど私たちが乗っていた飛行機が見えます。そして、注文の品がくるのを待っているうちに離陸しました。

 

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 私が注文した豚カツ定食。これは、本当に美味しかったです。素材の良さがよく分かります。油も良いみたいで、まったく胃もたれしません。1000円ちょっとだったと思いますが、この値段でこのクオリティー、素晴らしいです。注文してから来るまでに結構待ちましたが、それだけきちんと作っているのですね。
 夫の焼き肉重は美味しいのですが、少々味が濃かったです。このレストラン、素材がいいので薄味のメニューを頼んだ方が良いと思います。もし、東京にこんなレストランがあったら評判の美味しい店になるのではないでしょうか。豚カツ、食べる価値ありです。

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夏の長崎・五島旅行 ーザ・グローバルビュー長崎ー

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 長崎ではザ・グローバルビュー長崎に二泊しましたが、ホテル選びは夫に任せしました。一泊9000円(8月平日)のホテルを予約したというので、ごく普通の、簡素で無機質な、寝るためだけのビジネスホテルかと思っていたのですが、意外に豪華で驚きました。

 

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 玄関を入るとこのようなロビー。ただの受付があるだけかと思っていたのでびっくり。ちょっとリッチな気持ちにさせてくれます。

 

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 部屋には絵が3枚飾られ、良い雰囲気です。ベッドもちょうど良い固さ。そして、建物全体が冷房でしっかり冷えているのか、客室内は冷房を入れなくても適度な温度でした。外は酷暑なのに。
 特に気に入ったのが窓辺のソファとテーブルです。客室はローテーブルなことが多いと思うのですが、これは食事をしたり作業をしたりするのに適した高さがあります。

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 窓からの景色。昼間はただの市街地ですが(もっとも、鉄ちゃんの夫にとっては鉄道が部屋から見えるというのは嬉しいポイントらしいです)、長崎特有の高低差により美しい夜景が見られます。

 朝食はバイキングです。和洋色々なメニューがありますので、食べ物アレルギーがある方も大丈夫だと思います。

 

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 1日目はこんな感じにしました。オムレツはその場で頼んで作ってもらいます。こうしたオムレツはバターたっぷりでしつこいことが往々にしてありますが、ここのオムレツはあっさりしていて大変良かったです。それから、鯛茶漬けも、自分で具を盛り、どんぶりを渡してその場で熱々の汁をかけてもらいます。果物も色々な種類がありました。写真にはプリンが写っていますが、残念ながら食べられませんでした。上にかかっているのはパッションフルーツと思いきや、確認したところマンゴーとのミックスでした。仕方がないので夫に食べてもらいました。
 地味に写っている日本茶ですが、ここはお茶に力を入れているのがポイント。飲み物コーナーには長崎産の日本茶と、長崎産の紅茶もあるのです。長崎産の紅茶は普通の紅茶と比べるとフレッシュで優しい味で、大変気に入りました。

 

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 2日目はこんな感じ。毎日、ほんの少しメニューが変わっているようです。昨日はなかった気がするミネストローネ、大変おいしかったです。夫からお米はおいしくない情報があったので、味をごまかすために今日も鯛茶漬け。
 お米問題はおいといて、全体として満足できる朝食バイキングでした。

 さて、旅行に出発する前は、夕食は長崎の味を楽しむために外食するつもりだったのですが、あまりの暑さに夕食の時間まで外をうろつくなどとてもできず、シャワーを浴びたあと暑い中また市電に乗ってまた出かけることも到底考えられず(どうやらホテル近くに食事処はないようです)、二晩とも部屋食にしました。

 

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 1日目は地元密着スーパーで買った惣菜。そして、ホテルに隣接するファミリーマート(ホテルからの専用入り口もあります)で買ったおにぎりとインスタント味噌汁。スーパーは華やかさとは無縁の、薄暗く、ここで買って大丈夫かしらという感じでしたが、食べてみると意外にいけました。そして500円の金目鯛の刺身は、さすが長崎、スーパーの刺身でも新鮮でおいしいです。これで足りるか少し心配でしたが、このあとリンゴを食べたら十分おなかいっぱいになりました。

 

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 2日目は地元の惣菜屋で買いました。グラバー園の帰り、夫が終点から市電に乗りたいというので「石橋」駅に行く途中にあったお店で買いました。炊き込みごはん2パック、惣菜3パックで1000円ちょっと。写真を撮るのを忘れましたが、老夫婦が営むお店で、家庭的な味でした。あとは昨日の残りのトマトとリンゴ。

 

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 デザートはホテルの1階にあるカフェで買ったケーキ。私は旅先でケーキを買って、宿泊先の部屋で食べるのが大好きです。なにか、特別な気分になります。このホテルは部屋にカップは備えてあるものの、ソーサーはないのでテーブルに直接置くしかありませんでした。

 全体的に快適で、コストパフォーマンスが良いホテルです。アクセスも良く、バス、市電が停まる「宝町」駅(長崎駅から二つ目)の真ん前にあります。向かいの道路へ行くには歩道橋を渡らなければならず、帰りはスーツケースを抱えてあれを渡らなければならないのかと少し憂鬱でしたが、フロントに尋ねたところ、空港行きのバスは南回りと北回り、二種類あって、どちらも目の前の「宝町」に停まるということでほっとしました(北回りの方が本数は少ないです)。
 ザ・グローバルビュー長崎、長崎の定宿にしたいと思うくらい、気に入りました。

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食物アレルギー情報のために、新カテゴリー「旅の宿」を設けました

 このたび、新たに「旅の宿」というカテゴリーを設けることにしました。

 私が初めて食物アレルギーに直面したのは20年ほど前です。マンゴーを口にしたとき、気管支が詰まったような感じになり、すべて吐き出さないことには治まりませんでした。ちょうど海外留学に出発する前日で、親には緊張しているのだろうと言われ、自分でもそうなのかなと思いました。それから数年ぶりにマンゴーを一口食べたら同じ症状が出て、数時間起き上がれませんでした。そのとき、自分はマンゴーアレルギーなのだと確信しました。
 もう一つ、摂取すると同じように気管支が詰まったような感じになるものがありました。カモミールです。マンゴーほどひどくはないのですが、「リラックス効果あり」とされるカモミールティーが私にとっては全然リラックスではなく、匂いも嫌な感じでした。
 しばらくはマンゴーとカモミールに気をつけていれば良かったのですが、徐々にアレルギーが増えていきました。ふきのとう、あくの強い山菜、みょうが、パセリ、春菊、菊の花。ふきのとうは、旅行中に宿で出た蕗味噌たっぷりの料理を食べた後に発症しました。数時間、起き上がれませんでした。パセリは、以前は自家製野菜ジュースに入れていたのですが、どうも気管支が詰まる感じがするようになり、おそらくアレルギーを発症したのだと思いました。
 それから、ナッツ類も大量に摂取するとアレルギー症状が出ます。ビーガン料理は要注意です。

 そして3年前に、小麦アレルギーを発症しました。今から思えば、その2年前から兆候はありました。唇の横が頻繁にヘルペスのようになり、直ったかと思ってもすぐにできて、常に荒れている状態でした。皮膚科に行ってもビタミン剤を処方されるだけで、飲んで治ったかもしれないとなっても、すぐにできます。そうこうするうちに、朝食のパンを食べた後、これまでの人生で最もひどいアレルギー症状が出ました。小麦アレルギー発症なのだと思います。それ以来、主食で小麦をとることは完全にやめました。とにかく小麦は極力避け、今はごくたまにタルトを食べる程度です。小麦を摂取しなくなったら、唇の脇が荒れることはすっかりなくなりました。

 そんなわけで、旅行で宿を予約する際は、食物アレルギーに対応してくれるかどうか、尋ねる必要があります。私の場合、品目が多いので大変だろうと思います。もちろん、宿泊を断られることもあります。昨年の日光旅行でも、予約しようと思った宿に「繁忙期なので対応できない」と断られました。また、かなり前になるのですが、「食物アレルギー対応」とうたっている宿に予約しようとしたら、「うちでは対応できないので他にお泊まりください」といわれ、その宿はHPから「食物アレルギー対応」を削除しました。
 予約の際に備考欄に食物アレルギーを書いておいても、システム上予約はとれても特に返事が来るわけではなく、本当に対応してくれるのか、行くまで分からない場合もあります。

 そこで、今後は旅行記で宿の記事を書く際には、食物アレルギー対応についてもできるだけ詳しく書くことにしました。私のように、食物アレルギーが宿選びのネックになっている方もいらっしゃると思いますので。そして、「旅の宿」のカテゴリーを設け、宿情報にアクセスしやすくしました。私の宿泊経験がどなたかのお役に立てば幸いです。

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夏の長崎・五島旅行 ー長崎2日目 グラバー園ー

 大浦天主堂のあとはすぐ隣のグラバー園へ。
 これまでずっと、長崎で一番の観光地といえばグラバー園だと思っていました。なので、かなり期待していました。ですが、残念ながら期待は外れました。

 1858年に江戸幕府が米・英・仏・露・蘭と修好通商条約を結ぶと、218年に渡り設置された出島のオランダ商館は閉鎖されました。開港都市となった長崎では、大浦海岸に外国人居留地が作られ、外国人商人が進出してきました。トーマス・グラバーが長崎に来航したのは1859年、21歳の時。現在グラバー園にある建物のうち、旧グラバー住宅、旧リンガー住宅、旧オルト住宅は居留地時代からこの場所に建ち続けており、残りの6棟は明治中期ごろに長崎市内に建てられた洋風建築をグラバー園へ移築復元したものです。

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 まずは一番の高台にある旧三菱第2ドックハウスへ。三菱造船所の第2ドックの建設時に建てられた外国人乗組員用の宿舎です。1階には貸衣装室がありました。そして、「熱中症注意アラートが発令されているので、本日の園内ツアーは中止」という告知文が置かれていました。グラバー園も建物内に冷房はなし。唯一、冷房が入っていたのは出口前にある「長崎伝承芸能館」だけ(喫茶店は入っていないので分かりません)。ここも、酷暑の中の厳しい観光でした。
 
 

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 第2ドッグハウス前の展望台から見える対岸の景色です。このあとは大体順番通りに回りました。旧オルト住宅と旧長崎地方裁判所長官舎は修理中につき観覧できませんでした。

 出島、大浦天主堂を見たあとだと、グラバー園の説明、展示は手抜き感が否めませんでした。とりあえず説明パネルを置いておきました、という感じです。入園の時に渡された案内にはQRコードがあり、そこから詳しい案内を見てくださいとなっていますが、やはり現地に詳しい案内があって欲しいです。

 

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 これは旧リンガー住宅(1868年頃建造)の応接室です。なんとなく、建物全体も、調度品も大切に手入れをしている感じがないのです。埃っぽいというか、乾いた感じというか。写真の左手前、ソファーの布が破けています。一度設置したらそのまま、という気がします。

 

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 最後は旧グラバー住宅。1863年建造、日本に現存する最古の木造洋風建築。「明治日本の産業革命遺産」の構成要素として、世界遺産に登録されています。

 

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 建物内部はあまり撮影する気がしませんでしたが、離れの台所の写真を撮ってみました。
 

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 グラバー園は映像や写真で見かける機会が多く、素敵な所に思えていたのですが、なにか知名度に甘えている気がしました。グラバー住宅は3年間、保存修理工事が行われ2021にリニューアルオープンしたそうなので、まったく手をかけていないわけではないようですが、出島、大浦天主堂のような生き生きとしたものは感じませんでした。私の中では、今回長崎で訪れた場所の中で唯一、がっかりした場所でした。
 それから、旧三菱第2ドックハウス方面は登りになっており、「歩く歩道」が設置されていますが、エスカレーターでないのが難点です。私は「歩く歩道」というのは平面に設置されるものと思っていました。登りは初めてです。実は、長崎到着初日に少し左の足首を痛めてしまい、大浦天主堂の前に薬局でロキソニンを買いました。そんな足だったからというのもありますが、登りの歩く歩道というのは辛いです。登りをフラットな状態で進めるエスカレーターが、どれほど体の負担を軽減してくれるものかよく分かりました。

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夏の長崎・五島旅行 ー長崎2日目 大浦天主堂ー

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 午後は大浦天主堂とグラバー園へ。市電で「大浦天主堂」駅に行き、まずは住宅街を抜けて大浦天主堂に行きました。

 長崎と五島は潜伏キリシタンの地ということで、以前からなんとなく関心がありました。それが、はっきりと「いつか訪れたい場所」になったのは、2015年に両親が五島ツアーに参加したのがきっかけだった気がします。2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたときは正直、観光客が増え、宿泊施設が高騰して行きにくくなってしまうかもしれないと思いました。
 今年の夏は当初、久々に海外旅行をするつもりでした。ですが、意を決してツアーに申し込んだところ、「先日大量キャンセルが出て、このツアーは中止になりました」と言われてしまいました。ツアーに参加するためにせっかく空けた日程、それなら前から行きたかった長崎と五島に行こう、というのが今回の旅行決定のいきさつです。

 


 せっかく行くならば、潜伏キリシタン、かくれキリシタンの歴史をある程度知っておかなければいけません。そこで購入したのが後藤 真樹著『かくれキリシタン 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅 (とんぼの本)』です。一度図書館で借りて少し読んでみて、気に入ったので注文しました。最も気に入ったポイントは、「今」について書かれていることです。外海、五島列島、平戸、天草と、地域ごとに潜伏キリシタン、そしてかくれキリシタンの歴史と現在の状況が、今を生きる関係者に取材し、その語りを通して記述されています。もちろん、キリスト教の広まりと弾圧の歴史と主要な教会堂を紹介したページもありますが、本の大半は関係者の話と美しい写真をもとに、現在と現在に至る過程に割かれています。すでに伝統が簡素化されたり、信仰そのものが失われたところもあり、受け継がれた完全な姿を子供の頃に直接見て、ある程度肌で知っている、そうした人々に話を聞ける、今が最後のチャンスなのだと、この本を読んで思いました。色々と大変勉強になりました。

 この大浦天主堂は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」としては長崎で唯一世界文化遺産に登録されています。

 

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 この天主堂を有名にしているのは、なんといっても「信徒発見」でしょう。
 1854年の日米和親条約に続き、1858年に米・英・仏・露・蘭と修好通商条約を結ぶと、ローマ教皇庁は日本での再布教をパリ外国宣教会に託しました。日本がまだ禁教令下にある1864年、フランス人のための大浦天主堂が完成します。翌年1865年2月19日、ジラール教区長により天主堂は「日本二十六聖人殉教者聖堂」と命名され、献堂されました。その1ヶ月後の3月17日、プチジャン神父が祈りを捧げていると、数名の女性が近づいてきて「私たちはあなたと同じ心だ」と言い、「サンタ・マリアの像はどこか」と尋ねました。信徒発見でした。
 天主堂の中ではこうしたいきさつを説明する音声が流れているので、一度通しで聞くと良いと思います。このときのサンタ・マリア像は今も天主堂内に安置されていますので、見ることができます。

 そして、隣接する旧羅典神学校と旧長崎大司教館は2018年からキリシタン博物館になっています。禁教時代を含め、日本のキリスト教史全体の流れが紹介され、また様々なキリシタン関係展示物がある、なかなか見応えのある博物館です。ここも時間をかけてじっくり見る価値があるのですが、酷暑の中、天主堂、そしてこの博物館は冷房が一切なかったので、長居は厳しいものがありました。

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夏の長崎・五島旅行 ー長崎2日目 出島ー

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 長崎は市電が充実していて観光地へのアクセスが良いのが嬉しいです。さっと乗れて、車窓から間近に町を見ることができるのがいいですね。運賃も安い。

 2日目最初の観光は出島。実は、今回の旅行で長崎のガイドブックは買いませんでした。10年以上前のものですが、九州のガイドブックが家にあったので今回はそれでこと足りるだろうと。そのガイドブックでは出島についてはほんのわずか書かれていただけなので、多分、跡地にジオラマがある程度、20分もあれば見終わるだろう、今日はずいぶん早くにホテルに戻ることになりそうと思っていたのですが。

 

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 市電の「出島」駅で降り、出島方面を見るとなにやら立派な町並みが。

 

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 水門です。すでに外回りから充実しています。

 1612年、徳川幕府は直轄地にキリスト教禁止令を発布し、1613年に全国に発令しました。さらに、ポルトガル人によるキリスト教の布教を禁止するために、1634年、長崎の岬の突端に人工島を築き始め、1636年に完成。こうして出現した出島には当初ポルトガル人が居住していましたが、まもなく幕府とポルトガルの関係が悪化し、1639年にはポルトガル人の日本渡航が禁じられました。いったん無人の地となりますが、1641年、幕府の命令でオランダが平戸から商館を出島に移転、以後はオランダ人が住むことになりました。
 長崎には通常、1年に一度オランダ戦が来航しました。大きなオランダ船は沖に停泊し、積荷は小船でこの水門に運ばれたそうです。

 

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 西側護岸石垣です。これも外回り。

 

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 出島の北側には中島川が流れており、橋を渡って表門から中に入ります(入場料は大人520円)。これは表門メインゲートに行く途中、中島川から撮った写真です。倉が写っています。

 いよいよ中へ。

 

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 これは嬉しい誤算でした。中には出島が相当に復元されていて、大変な充実ぶり。建物の復元は三期にわたって行われました。2000年に第I期、2006年に第II期、2016年に第III期。そして2017年に出島表門橋が完成しました。私たちのガイドブックは情報が古すぎました。

 建物の内部は当時の様子を再現しているものもあれば、歴史博物館になっているものも。この博物館タイプになっている建物がかなりあり、当時の貿易、出島での暮らし、出島で活躍した人々に関する様々な展示があります。輸出品の主力が実は銅だったことは初めて知りました。陶器については、海外から日本に入ってきたもの、日本から輸出したものだけでなく、当時のアジア各地での陶器を展示した、専用フロアもありました。出島の暮らしについては、出島で使用されていた生活用品のみならず、発掘された動物の骨も展示されており、出島では家畜だけでなくペットもいたと説明がありました。展示されている資料、絵画には複製もありましたが、多くは長崎歴史文化博物館となっており、いずれはこの博物館にも是非行きたいと思いました。

 

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 これは乙名(日本側の貿易事務や管理を担当、出島町人の中から選出)部屋の内部の復元です。

 

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 これはオランダ商館長(カピタン)部屋の2階。カピタンの事務所や住居として使用されていた、出島で最も大きな建物。

 

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 1976年に制作された15分の1の模型。外にあります。てっきり、この程度のものかと思っていたら、全く違いました。

 総じてこの出島は、長崎観光で間違いなく必見の、やる気がみなぎったミュージアムです。興味深いものがあまりに目白押しで、結局2時間ほど滞在しました。今後も復元整備を進め、最終的には四方に水面を確保して19世紀初めの扇形へと完全復元することを目指しているそうです。さらに充実したミュージアムになる可能性大。

 次の観光地へは「新地中華街」駅で乗り換えるので、いったんここで降り、中華街で昼食をとることにしました。

 

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 この中華街、想像よりもずっと小規模でした。そして外から見ると同じような店ばかりで、どう選べば良いのか分からない。結局、門から入ってすぐのお店にしました。小麦アレルギーなので春雨の麺を選びました。出島は建物内部はクーラーが効いていましたが、外がとんでもなく暑いのでへたばってしまった体に、春雨は大変食べやすかったです。野菜たっぷりも旅行者には嬉しかったです。

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夏の長崎・五島旅行 ー長崎1日目 平和公園ー

 喫茶店で一息ついたあと平和公園に向かっていると、市電の駅の方から太鼓のような音が聞こえてきました。なんだろうと思いつつも、公園入り口のエスカレーターを上り、まずは平和祈念像へ。

 

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 テレビで大写しにされるこの祈念像。8月9日の式典に向けて、下にはステージや、背景になるとおぼしき格子状の鉄枠が設置されていました。ポールが置かれ、接近することはできません。それでも、これがあの祈念像かとしみじみと眺めようとしたら、先ほどの太鼓の音が。袈裟をまとった僧侶とおぼしき人々が縦一列にこちらに向かってきました。と思ったら、祈念像に対して平行に横一列に並び、そのまま前進。私は祈念像とこの方々の間で完全に挟み撃ちになり、距離がどんどん狭まってきて、どう考えてもこれ以上ここにはいられないと、早々に退散せざるを得ませんでした。あれは一体何だったのだろうと後から調べたら、この日は「長崎県 日蓮宗 青年会」が原爆殉難者慰霊行脚を行っており、祈念像を前に回向供養を行う時間に私たちはたまたま居合わせたのでした。

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 平和の泉。このあと、原爆落下中心地に向かいました。

 

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 中心地には碑がありました。そこから少し離れたところに、先ほど行った浦上天主堂遺壁が立っていました。

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 この側壁は聖堂の南側の一部で、1958年に新しい天主堂建設のためにここに移築されました。壁上にはフランシスコ・ザビエルと使徒の石像があります。

 

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 このほか、ガラス越しに被爆当時の地層が見られる場所がありました。
 
 長崎ではこのように原爆被害の遺構を目に見える形にして残すことで、その記憶を伝えている。半世紀以上生きて、ようやく実際に現場で見て実感することができました。

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夏の長崎・五島旅行 ー長崎1日目 浦上天主堂ー

 今年の夏は、かねてより訪れたかった長崎と五島へ5泊6日で行ってきました。私は九州は出張で熊本に3日滞在したことがあるだけです。九州は日本でありながら私には大変遠い、ともすれば海外にも近いところでしたが、今回の旅行で長崎と五島はぐっと身近になりました。そして、今まで字面で覚えただけの、実感することが難しかった歴史上の出来事に具体的なイメージを持つことができたのが、この旅の大きな収穫でした。幸い全日程天気に恵まれましたが、熱中症警報アラートの中での観光はとにかく暑く、ハードでした!

 旅は長崎からスタート。初日は長崎市北部、つまり原爆関連地を観光しました。私は広島に行ったことがありませんので、被爆遺構と遺物を目にするには初めてです。
 まずは浦上天主堂を訪れました。

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 浦上のカトリック信者は1867年に始まった浦上での大弾圧(浦上四番崩れ)によって全国に流刑となりましたが、1873年に解放されると聖堂の建設を計画しました。1895年、浦上天主堂の建設が始まり、1914年に完成しました。ですが、1945年8月9日に原爆により天主堂は破壊されました。再建されたのは1959年です。かつて正面祭壇に安置されていた聖母像も原爆で破壊されましたが、頭部だけが発見され、この天主堂に被爆マリアとして安置されています。
 長崎におけるキリシタンの歴史上重要な浦上天主堂ですが、一番心に響いたのは、やはり被爆遺構と原爆遺物でした。

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 聖母マリア像の後ろにある建物は原爆遺物展示室です。被爆で破壊された聖器具などが展示されています。ここもじっくり見たかったのですが、何しろ暑すぎました。冷房は一切なし、扇風機のみ。長居はとても無理でした。今回の旅では様々な教会を訪れましたが、教会というのはどこも冷房が入っていませんので、この酷暑ではなかなか厳しかったです。

 

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 旧鐘楼です。原爆により天主堂が破壊された際に、鐘楼がこの位置まで崩れ落ちました。当時と同じ場所に残っている原爆遺構です。

 

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 原爆の被害を受けた石像です。

 あまりに暑かったので、喫茶店で一休みすることにしました。

 

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 ミルクセーキ。ミルクセーキを飲むのは何年ぶりでしょう?そして、ミルクセーキが長崎名物だということを今回初めて知りました。こちらは注文を受けてから作る、ほとんどアイスタイプのミルクセーキ。意外にさっぱりしていました。甘さ控えめ。生き返りました。

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