夏の釧路旅行 ー釧路湿原 湯根内木道ー
釧路滞在3日目はいよいよ釧路湿原へ。まずは再び塘路駅に移動します。今日からの宿泊施設はその次の茅沼駅が最寄りです。なので、今回はこのエリアを満喫しようということで、塘路ネイチャーセンターに三つツアーをお願いしました。
初日は4時間のネイチャーウォッチング「水の旅人、低層湿原と高層湿原の旅(温根内)」ツアーです。塘路駅まで迎えに来てくれ、宿泊施設まで送り届けてくれます。湿原の中を歩くのは自分たちでもできるけれど、でもここ最近の北海道での熊問題が心配ということで、ガイドをお願いすることにしました。ガイドの方によると、私たちの行き先はどこも熊の生息地ではないとのことでしたが。
私は釧路湿原は全く初めてで、大きな誤解をしていました。湿原内にはあちこちにトレッキングコースがあると思い込んでいました。なので、今回は塘路近くのトレッキングコースをがっつり4時間歩くのだと思っていました(実際はネイチャーセンターを出発して帰ってくるまでが4時間でした)。ですが、ネイチャーセンターによってスーツケースを置き、車で出発したら「これから湿原の反対側に行きます、50分くらいかかります」と言われてびっくり。途中、色々と説明を受けながら(釧路湿原で問題となっているメガソーラーについても。たしかに沢山ありました)、着いたのは鶴居村の湯根内ビジターセンターでした。釧路湿原で湿原内を歩ける唯一の場所がこの湯根内木道だそうです。塘路にトレッキングコースはないそうです。今、あらためてツアーの説明を読むと、たしかに「湯根内木道をご案内」と書いてありました。

木道を歩き始めます。釧路湿原の80%がヨシやスゲの湿原です。地表面が地下水位よりも下にあるので「低層湿原」とも呼ばれます。それだけ水気が多いということで、入ってすぐのところにその深さを体感するための棒が置いてありました。入れてみるとズブズブと入っていきます。なので、まさに湿原で暮らしていける動物は限られていて、逆にそのためにタンチョウが子育てをするのに向いている、必要な場所だそうです。子供を敵から守るのに適した場所ということです。

この日は昨日とは打って変わって雨でした。幸い、歩き始めた頃にはほぼ雨は上がり、でもどんよりとした曇り空。ガイドさんによると、昨日は秋の天気、今日は夏に戻ったとのこと。これが夏のよくある天気らしいです。

木道近くにはこんなかわいい花も咲いています(名前は忘れました…)。

ヨシ湿原の向こうにはハンノキ林が見えます。木道近くの湿原でこのように木が育つのは種が落ちた場所がいい、など数々の幸運が重ならないと難しいそう。

サワギキョウです。盛夏を代表する花。

木道には所々にこのような説明が設置されています。スゲ湿原を過ぎ、現在行ける一番奥の方に行くと、釧路湿原には2%しかないミズゴケ湿原に入ります。

その名の通り地表にコケがあります。地表面が地下水位よりも高くなるため「高層湿原」とも呼ばれます。ツツジなどがあり、雰囲気としては尾瀬に似ています。つまり、同じ湿原とはいっても低層湿原が大半を占める釧路の方がずっと水気が多く、作物の生育には適さないのですね。

奥まで行ったらまた引き返し、再びヨシ湿原に入ります。さらに木道を歩いて行くと鶴居軌道跡にぶつかります。いわゆる「鉄ちゃん」の夫にとってはたまらない場所のようです。我が家には『北海道の簡易軌道 全路線解説と6つの軌道跡を訪ねて』(イカロス出版)というカラー写真の本があり、鶴居村営軌道もしっかり紹介されています。私は全く知りませんでしたが、前日の市立博物館で釧路の簡易軌道について知り、鶴居軌道跡をたどる航空映像を見たので少しイメージができました。ガイドさんに乗ったことがあるかと尋ねたら、あるとのことでした。子供の頃、学校に行くのに本当は乗る必要がないのに、乗りたくてわざわざ遠回りしたりしたそうです。
木道を外れて、この軌道跡をほんの少しだけ歩きました。

ヤマブドウです。

エゾトリカブト。
ガイドさんに説明をしてもらいながら歩くと植生だけでなく、目の前を横切ったミンクのこと(釧路管内に輸入されたミンクの養殖場が作られ、毛皮生産が盛んだったけれど、養殖所の閉鎖に伴い事業者が野外へ放したり、逃げ出した個体が野生化したりし、その数が増えていること)など色々教えてもらえたので、自分たちだけで歩いているよりもずっと湿原に愛着を持てました。

帰りは別の道を通ってくれたので、釧路湿原全体の半分くらいをぐるっと一周したことになりました。帰りはこのように鹿の群れにも出会いました。

遅い昼食は塘路ネイチャーセンターの中にある「メリーさんのひつじ」でとりました。私はオムライス。かかっているケチャップも本格的。卵もなにもかも良い素材を使っているようで、とても美味しかったです。このあと飲んだココアも本格的でした。お勧めです。
「熊対策」として頼んだツアーでしたが、車を運転しない私たちはツアーでないと難しいことが分かりました。釧路駅前と温根内ビジターセンターを結ぶバスが1日に5−6本ありますので自力で行けないことはないのですが、バスの時間を気にして歩かないと行けませんね。
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